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金融とは何か―中央銀行の始まりと金融政策について

政治・経済・社会・歴史 メモ

以前はこんな記事を書きました。


金融とは何か―出資・融資・通貨 - パンダのぼやき



上記記事で書きましたが、両替商が発展して銀行となり、銀行が発行する預かり証が銀行券となります。しかし、こうなると銀行券が何種類も出回ることになるのですが、銀行ごとに信用の度合いが違っているので、銀行券同士の交換比率をどうするかという話になります。しかし、これは日常生活上での混乱を招く可能性があります。そこで出てくるのが中央銀行です。

中央銀行の始まり


中央銀行の始まりには大きく2種類あります。


1、商業銀行の発展系(17C)
スウェーデンのリスクバンク、英国のイングランド銀行など


⇒銀行券同士の交換比率の面倒をなくすため、国(もしくは王、領主)が代表的な1つの銀行に対して王室財政の面倒を見てくれることを条件に、その見返りとして独占的に銀行券を発行する権限を与えたことが始まりです。



2、国家意思に基づく設立(19C)
ベルギー国立銀行など


⇒この時期の中央銀行設立は、国を富ませ、拡大していくためには必要不可欠な組織という認識でした。こうした明確な国家意思に基づく設立の場合は、はじめから中央銀行が発行する銀行券だけが法律で通貨として認められ、それまで流通していた通貨の使用は禁止されます。こうした通貨を法定通貨(法貨)と言います。


信認の重要性


前述のように、銀行券や硬貨は法貨として法律で流通が担保されているわけですが、実際に流通するためには通貨に対する国民の信認が絶対的に必要になります。国民が法貨を通貨として信認している(信じている)からこそ流通するのです。



逆に言えば、この信認が揺らぐときに危機が発生します。例えば第2次大戦直後の日本は似たような状況でした。当時の通貨の信認が低く、いくらカネを積んでもモノとかえてもらえない状態で、着物を農家に持って行って米に替えるという光景がしばしば見られたそうです。



※いくらカネを積んでもモノと替えてもらえない状態というのは、通貨の信認が低い、言い換えるとインフレ(物価上昇)状態だということです。実際に戦後直後の日本はとんでもないインフレでした。つまりこの観点から見ると、アベノミクスというのは意図的に通貨の信認を低くしているという見方も出来ます。

金融政策とは何か


ここまでつらつらとまとめてきたわけですが、用語説明ばかりしていても飽きるだろうと思ったので、ここからは新しい用語に関してはその都度説明を加えるかたちを取ろうと思います。ということで、最近(ってほどでもないですが)割とホットな金融政策についてまとめたいと思います。



金融政策
:基本的には、「政策担当者が、一定の意図をもって通貨・金融面から経済主体の行動に働きかけ、その意図を実体経済面に実現させるべく努力する一連の行為である(参考文献22頁)」と言えます。金融政策では中央銀行が出発点となります。イメージ図としては以下のように表現できます。この図を把握しておけば、金融政策のみならず、経済の基本的なことはある程度理解できるので、ここの理解はかなり推奨します。ちなみにこれらに加えて「政府」という経済主体も加えると理解が深まりますが、これについては別の機会に。


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日本銀行法によれば、金融政策の運営目的として物価の安定が掲げられています。これは欧米の中央銀行も同様です。

金融政策の流れ


金融政策の流れとしては、

中央銀行が金融政策を実行→市中銀行に影響→家計・企業に影響


となります。これは金融政策の波及過程という議論になるのですが、この過程にも金利経由通貨経由という2つのアプローチがあります。これについては改めて。


※図の貼り方はid:syunki-gtさんにご教授頂きました。早速使わせて頂きました。ありがとうございました!


グラフ・表・図をブログの記事に載せる方法はこれだ! - 灰色の棚



参考文献
・湯本雅士『金融政策入門』岩波書店、2013年

金融政策入門 (岩波新書)

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