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インターネットは視野を広げるか


2013年夏の参院選から、ネット選挙が解禁となりました。そして来週にせまる都知事選でも、インターネットの活用による政策募集など、政治を身近にするための新たな試みがなされています。


さて、個人的にはインターネットとは自分の視野を広げるものだと思い込んでいたのですが、今回の都知事選の動向をインターネット上で追っていた際やそれ以外においても、本当に視野が広がってます??と思うところがあったので、それについてまとめておきたいと思います。


※何をもって視野を広げるというのかで話は変わってくるかと思いますが、ここでは視野を広げる=自分が全く興味のなかった分野に関して興味を持つようになること、ということにします。

インターネットは視野を広げる?


これまでインターネットとは、自分の世界(視野)を広げるものだと思い込んでいました。例えば、検索一つで自分の知らなかったことを知ることができるし、ツイッターなどのSNSでは有名人や学者、言論人、ブロガーなどなどをフォローして、多様な見解に触れることができて、本当に良い時代だなぁなどと思っていました。実際良い時代だと思っているのですが。しかし、よくよく考えてみると、多様な見解に触れているように見えて、実は似たようなものに触れているだけなのかもしれないなと思うようになりました。

検索というプロセス


というのも、例えば検索というプロセス。これは何か調べたいことがまずあって、それに関するキーワードを入力するというプロセスです。つまり、何かしらの興味や調べたいことがあるからこそ検索するのであって、全く興味がなければ検索などようとしないし、そもそも全く興味のない分野であれば恐らく知識もないので検索ワードもわからず、検索のしようがないのです。つまり検索とは、何かしら興味がある事柄、もしくは知っているものを確認する・深めるためのものであり、無関心のものに関してはアプローチできないものだと思うのです。

SNS


これはSNSでもそんなに変わらないと思います。例えばツイッター。これも基本的には興味があるからフォローをするわけで、何のきっかけもなく自分から興味のない分野へ向かうことはあまりないのではないでしょうか(まぁリツイートで興味の範囲外のものが飛んでくる可能性も往々にしてありますが)。また、こうした興味に沿った情報収集は集めやすさという観点から便利だと思う反面、視野を狭めてしまうというデメリットもあるかと思います。



例えば今回の都知事選で、私は家入さんの動きは面白いなーと思ってフォローして眺めているわけですが、これを見ているとかなり盛り上がっているなぁと感じるのです。しかしながら、別のメディア、例えば新聞を読んでみると、家入さんに関することで盛り上がっている感じはなく、むしろ、いわゆる主要候補の話題が中心なのです。つまり、自分的に盛り上がっているなぁと思う話題と、世間的に(新聞を世間とするのもどうかと思いますが)盛り上がっている話題に乖離があるわけです。こうした状況では、インターネットは自分の視野を広げるどころか、使い方によってはむしろ視野を狭めているようにも思えます。

キュレーション系


例えばグノシーなんかも、自分の興味を軸とした情報収集ツールです。自分がどういう分野を見たかを分析し、それをもとにその人にあった情報を提供するわけですから、その人仕様の情報が配信されます。言い換えれば、基本的に興味の外側に出ることはないのです。

まとめ


ここまでだらだら書いてきたわけですが、要するに何が言いたいのかというと、インターネットは視野を広げるものではなく、興味のある分野を掘り下げるメディアなのかもしれないということです。冒頭でも触れたように、何をもって視野を広げると言うのかにもよりますが、視野を広げる=自分が全く興味のなかった分野に関して興味を持つようになることとするならば、インターネットは視野を広げるものではないと思います。


あくまで興味の範囲内での情報収集であり、興味の外側には及ばないのです。こうした状況はあんまりよろしくないのかなと個人的には思っています。自分の興味のある話題にだけに目を向けるということは、自分の認識と世間の認識というズレを感じにくくなるからです。世間とズレていること自体が問題だと言っているのではなくて、ズレているということを認識していることが重要だと言いたいのです。


自分の常識と世間の常識がズレていることを知らずに自分の常識で世間に入っていくと、思わぬダメージを受けることもあるかと思います。今まで自分が信じてきたことが一気に崩壊することほどつらいこともないと思うので、こうしたダメージを軽減するためにも、敵を知るというと言い過ぎかもしれませんが、いわゆる世間を知るというのは必要だと思います。ただ、世間を知る上でのツールとして、恐らくインターネットはそぐわないなと思ったりしているのです。繰り返し述べてきたように、インターネットはその性質上自分の興味のある分野に向かいやすいからです。


じゃあ何を使うべきかという話なのですが、新聞やテレビといったところでしょうか。結局のところ、いくつかのメディアをバランスよく見ましょうというしょうもない話になるのですが、これに尽きると思います。新聞はオワコンみたいな話をよく聞きますが、新聞の主張を支持するかどうかは別として、世間を知るツールとしてはそれなりに機能すると個人的には思っています。これもよく言われますが、見開きによる偶然性というのも確かにあると思いますし。これは興味の外側へ引き込む可能性を持っているようにも思います。

まとめのまとめ


まとめがまとまらなかったので簡潔に。

・インターネットは視野を広げるものではなく、興味のある分野を掘り下げるメディアなのかもしれないということ
・自分の認識と世間の認識のズレを把握することが重要
・そのために、インターネットだけでなく、新聞やテレビなどの他メディアを見ましょう


というお話なのですが・・・



以上のように考えてくると、そもそもどうして興味のない分野に関心を持つ必要があるのか、仮に興味のない分野に関心を持つ必要があるのだとすれば、どういうときに、どうしたら興味のない分野に関心を持つのかということを考える必要がありそうですね。ただ、何か興味のある1点を深めることで他分野に興味が出てくるという話もあるので(というか自分で書いているし)、興味のない分野はとりあえず放っておいていいのかもしれないなぁ。興味のないものに無理やり興味を持とうとしても先が見えている気もしますしね。


“興味のあることがない”という状態であればあっちゃこっちゃ手を出してみてまずは興味を見つける→興味が見つかったらそれを深めてみる→そこからの気付きで興味の範囲が広がる、というプロセスが視野を広げるということなのかもしれません。なんだか視野を広げるために視野を狭める的な、パラドックスを感じますw


最初に立てた仮説(インターネットは視野を狭めるのでは?という仮説)を自分で否定した感じもありますが、まぁそんなこともあるでしょう。今回はこれくらいにしておきます。