マーケティングの汎用性―マーケティング的な視点ってすごく大事


日経新聞を読んでいた時のことです。日経新聞の1番最後のページの左上に、「私の履歴書」という連載?があります。私はこの存在を知ってはいたものの、特に興味のある人が出ていたわけではなかったのでスルーしていました。



しかし、たまたま目についた今月は、マーケティングの父と呼ばれるフィリップ・コトラーの連載でした。この人については最近知ったばかりで、どんな人かよくわかっていませんでした。私は来年からマーケティングに関わる仕事に就くので、マーケティングの父と呼ばれる偉大な人ぐらいは知っておくべきだろう、ということで毎日読み始めました。


※私がコトラーさんを知ったきっかけは下記の記事を見てもらえればわかります。↓↓↓


日本企業が低迷する理由 - パンダのぼやき



そもそも「マーケティング」という言葉に対する私の印象は、ビジネスそのものでした。ビジネス=マーケティング。つまり、「お金を稼ぐために行うもの」という印象です。かなりおおざっぱですが、恐らくそんなに間違ってはいないと思います(違ったら教えてくださいw)。


ところが、コトラーさんの話を読んでいると、そういう印象を覆されました。まず、1番最初の記事において「来秋、タイで開催する世界マーケティング・サミットの準備だ。マーケティングが貧困解決や平和の達成にどう活用されるかを議論する。*1」と述べられています。



マーケティングで貧困解決?平和の達成???こういう問題は基本的に国の役割だと思い込んでいた私には衝撃的な一文でした。



別の記事を読んでみても、NPOの話が出てきたり、(彼はNPOに関する本も書いているそうです)直近の記事では「役員の巨額報酬に怒り*2」というタイトルまでついています。



こうした彼の記事を読んで私は思いました。マーケティングはビジネス以外にも応用可能なのだと。というより、コトラーさんにとっては、お金を稼ぐことより、どうしたら社会が良くなるかということに重点を置いてマーケティングを研究している印象さえ受けました。



確かによくよく考えれば、マーケティング的な視点というのは、ビジネスにしか使えないなんてことはないです。彼から言わせるとマーケティングとは「顧客を創造し、十分満足してもらうこと」です。顧客と言うと消費者をイメージしがちでビジネス感が出てしまいますが、別に顧客は「国民」でも、もう一つ小さい単位の「県民」でも、さらには「住民」でもいいわけです。マーケティングとは「十分満足してもらうこと」が目的なのだから。


という風に考えると、マーケティングという考え方はいろいろなところに応用できそうです。以前に書いた千葉県流山市に関する記事もマーケティング的な考え方から成功した一例でしょう。↓↓↓


日本の人口増加政策は、自治体が担うことになるのかも? - パンダのぼやき


というわけでまとめると、マーケティングはビジネス以外にも生かせる汎用性の高いものだということを学んだという話でした。せっかくマーケティングに関われる会社に就職できたわけですし、しっかり勉強して、自分の好きな社会科学と関連付けながら、何かしらの社会の役に立てればなと思った次第であります。

参考資料
・マーケティング学者フィリップ・コトラー氏「私の履歴書」連載『日本経済新聞』2013年12月1日~

コトラーのマーケティング・コンセプト

コトラーのマーケティング・コンセプト

*1:私の履歴書」『日本経済新聞』2013年12月1日付け、朝刊

*2:私の履歴書」『日本経済新聞』2013年12月28日付け、朝刊