『私たちはなぜ税金を納めるのか』、読了
読了です。
社会科学を勉強している者からすると、非常に勉強になる本でした。私にとって、こんなに勉強になった本は初めてかもしれません。
本書は「税金」を中心に据えながら、歴史や戦争、民主主義、資本主義、国家観(その背景にある哲学、例えばホッブズ、ロック、ヘーゲル)などを体系的に学ぶことができる内容となっています。
しかもこれらが補足的に語られているのではなく、それぞれがつながりをもって語られているので、「税金」を考える上でこうした上記項目が必須であるということを痛感させられました。
特に税金と戦争の関係は切っても切れない関係にあるということを思い知らされました。戦争が大規模化するにつれて必要経費も急増し、その中で生み出されたのが税金なのです。
自分の整理のために本書の内容を随時まとめてアップするつもりですが、私なんかの記事よりよほど価値が高いので、ご興味ある方は是非読んでみてください。
ただ、1つ注文をつけるとしたら、日本についてはほとんど触れられていないというところです。目次を見るとわかるのですが、出てくる国はイギリス、ドイツ、アメリカで、分量的にはアメリカの税制について多くを割いています。日本については「あとがき」にほんの少し触れられていますが、あとがきですのでやはり物足りないなと思いました。海外については把握できました!じゃあ日本はどうなのよ?と考えるのは自然なわけで・・・
もちろん、これだけの本を書ける方なので、日本についても書きたかったのだろうと思いますが、恐らく紙面の都合上でしょう(本当のところはわかりませんが)。
ということで、私は日本について書かれていないことを逆手にとって、自分ならどうすべきと思うかを考えていきたいと思います。もしかしたら本書を読んで自分で考えてもらうことを意図してあえて日本について書かなかったのかもしれませんねw著者の日本の税金論が出ることを期待しつつ、自分でも勉強しようと思った次第であります。
最後に、国民なら誰しもが払う税金です。これについて1度だけでも自分で考える、勉強する機会を設けることは大切なことだと思います。私の中で税金を考えるきっかけを与えてくれる本となりました。
※とはいえ、入門書とは言い難いかな?というのが私の印象ですので、もう少し平易に学びたいという方にはこちらがおすすめかと思います。↓↓↓
これを読んだ時にはまだブログを始めておらず、書評はないのですが、これは入門書と言って差し支えないと思います。