学びを自分に惹きつけることが、学ぶ意欲につながる

 

国際学力テスト(PISA)、日本「学力向上」順位上げる

 

 上記の記事を読みました。どうやら、「脱ゆとり教育」が功を奏し、国際学習到達度調査(PISA)の日本の結果が良くなったようです。それは喜ばしいことだと思いますが、がっつり「ゆとり世代」で無知な私は、「脱ゆとり教育」というのがそもそも何かよくわかりません。ということでウィキペディアを見てみると…

 

脱ゆとり教育(だつゆとりきょういく)とは2011年度から学習指導要領の改定に伴って始まった教育。ゆとり教育でも詰め込み教育でもなく、生きる力をはぐくむ教育とされる。

脱ゆとり教育 - Wikipedia

 

だそうです。ちょっと抽象的でよくわかりませんので具体的に見てみると、総授業時数が増加されたり、教科書のページ数が増量されたりしたみたいです。これら「脱ゆとり教育」によってPISAの結果が良くなったというのが本当なのか、若干疑問ではありますが、その辺に首を突っ込むと面倒な気がするのでここでは止めておきます。

 

今回私が注目したいのはそこではなく、「学習意欲」に関することです。ハフポの記事によれば、点数は伸びているけれど、生徒の学習意欲が低いという課題もあるそうです。その文脈でのシュライヒャー教育局次長のコメントに強く共感しました。

 

「学ぶ目的を教える教員の能力が原因かもしれない。その後の人生にどのように関連があるかを教え、動機付けを高めることが必要だ」

 

さすが教育局次長。本当にそうだと思います。学校で勉強することが今後どのように役立つのかという視点が、日本の教育では欠けているように感じます。

 

私は大学で社会科学を勉強していますので、今でこそ現代社会とのつながりを自分の中で比較的わかりやすく結び付けられて、「学ぶ意欲」につながっています。しかし、高校生ぐらいまでは正直、歴史の勉強は受験のための暗記としか考えていませんでしたので、「学ぶ意欲」という観点で言えばそんなに高くはなかったです。受験さえ終われば忘れてもいいものだと思っていましたから。

 

社会科に限らず他の科目も同様です。数学なんか、微分積分とか今後の人生において全く知る必要がないだろうと思っていました。つまり、自分との関係を見いだせないから、学ぶ意味もよくわからなかったわけです。なぜ学ぶのかが分からないから、「学ぶ意欲」も湧かない。受験という制度の枠の中で、仕方なく勉強するだけになるのです。

 

しかし、学校で教えられるものと、自分との関係や世間一般に使われている商品などとの関係が見えてくると、少しは興味が湧きませんか?例えば、確か微分積分って、ブラジャーの曲線を作る際に使われていたりするんですよね?間違っていたらすみません。歴史を1つとっても、ただ史実を並べるだけでなく、現代社会でも似たような現象が起きているということを説明してあげるだけで、ぐっと身近になります。例えば過去にこんな記事を書きました。

              ↓

帝国主義と現代のつながり―世界史を学ぶ意味 - パンダのぼやき

 

あとは、理科の実験なんかは自分との関係を実感する最たるものだと思います。

 

 このように、少しでも自分と関係があるとなれば、多少の「学ぶ意欲」につながるように思います。このあたりは教員の腕の見せ所かもしれませんね。

 

 

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