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帝国主義と現代のつながり―世界史を学ぶ意味

数少ない素晴らしいと思える講義で聞いた話をまとめ、考えたことを書きたいと思います。サブタイトルは「世界史を学ぶ意味」となっていますが、歴史を学ぶ意味と言っても過言ではないと思います。

 

○帝国主義と列強の展開

・独占資本主義の成立

2次産業革命→石油や電力を用いる重化学工業の発展→巨大企業の形成→それなりの設備・お金が必要→株式会社、金融寡頭制→大量生産が可能に→国内飽和(=国内は独占市場)→海外輸出(=植民地が資源・市場・投資先として重要に)

 

大まかな流れは上記のような形です。第2次産業革命によって重化学工業が発展してくると、それに応じて企業が巨大化します(重化学工業は軽工業よりも大規模な工場を必要とするため)。企業が巨大化するということは、それなりに大きな工場が必要で、それを建てるためには莫大なお金も必要になります。しかしながら、1人で莫大なお金を調達することは難しいので、株式会社や金融寡頭制が活用されます。ちなみに金融寡頭制とは、ごくごく簡単に言えば銀行の融資のことです。これらを活用して調達した資金をもとに、自動車やらの大量生産が可能になります。大量生産が可能になると、次第に国内市場では買い手がいなくなり、飽和状態となります(国内独占市場)。こうした動きは、伝統的な経済基盤(農業・中小企業)の没落も同時に招き、社会不安や移民の増大にもつながり、欧州不況にもつながりました。そこで国内がダメなら国外へ、つまり植民地の重要性が高まってくるのです。

 

・帝国主義へ

帝国主義には2つの段階があります。

 

1、未開国(アジア・アフリカ・ラテンアメリカなど)の開拓

前述したように、国内が独占市場となり、伝統的経済基盤が没落して欧州不況となると、企業は外国で利益(石油、鉱物などの資源・市場・投資先)を得ようとします。そこで使われたのが「力(=軍事力)」で、未開国の植民地化が進みました。当時は国際連盟などの国際機関はなく、規制は働かなかったのです。

 

2、列強間の帝国主義的対立―既存の植民地の奪い合いへ

地球の土地は有限なので、そのうち未開国はなくなります。主に先進列強のイギリス・フランス・ロシアが広大な植民地を持っていました。そうすると今度は、後発の列強(ドイツ・オーストリア・イタリア)がすでに植民地化された土地の再配分を要求するようになりました。つまり、植民地の新規開拓から、既存植民地の奪い合いへと帝国主義が変質したのです。この既存植民地の奪い合いが、第1次世界大戦です。

ちなみに先進列強の同盟が三国協商、更新列強の同盟が三国同盟です。

 

以上が帝国主義の過程です。

 

☆☆☆

つまり何が言いたいかというと、もともと産業革命というのは「人々を豊かに・便利に・幸せにする」ということを考えてやってきたもののはずなのに、気が付いたら戦争にまで発展しているということです。資本主義の高度化は、一歩間違えば戦争につながりかねないということを知ることはとても重要です。ここに歴史を学ぶ意味があります。

 

現代においては国際機関もきちんとあるし、ビジネスが戦争になることはないのでは?思うかもしれません。確かに戦争にはならないかもしれませんが、社会構造的には帝国主義の時代も現代も、そんなに変わりません。例えば、今回の話で言えば、国内独占市場になったことを背景に市場を海外に求めることは、現代でも普通に行われています。少子高齢化によって国内市場が縮小し、国内企業が国外に市場を求める構造も、本質的には同じです。その結果、帝国主義の時代では伝統的経済基盤が没落したように、現代でも中小企業が苦しんだり、非正規雇用が増えて低賃金で生活が苦しい人が出てきて社会問題化しています。だからといって海外進出をやめろ!とかいうつもりはありません。資本主義なのだから貪欲にいかなければ自身が食われるというのも理解しているつもりです。企業だって人々が少しでも豊かに・便利に・幸せになるようにと思ってビジネスをしていると思いますので。しかし、そうやって貪欲にいくことで不幸になる人もいるのだということを頭の片隅でいいので認識しておくべきだと思います。その不幸を制度的にできる限り取り除くのが国の仕事だと個人的には思っているのですが、いろいろ難しいみたいです。

 

 

長くなりましたが、とにかく言いたいのは、歴史を学ぶことは、過去の失敗に学び、同じ失敗を繰り返さないということ、過去を知ることで現代も見えてくる、という点で非常に意味のあることだということです。この点を忘れずに、今後も勉学に励みたいと思います

 

世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)

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世界史 下 (中公文庫 マ 10-4)

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詳説 世界史B 改訂版

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