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選挙制度について②

 ・J.S.ミルの比例代表制

「代議制統治論」(1861):当時のイギリスが多数代表制で、大政党の候補者ばかりが当選していた。これを少数派の「事実上の選挙権の剥奪」として批判

⇒「数に比例した代表」こそが「民主主義の第一の原則」であるべきと主張

そこで出てきたのが「移譲式比例代表制

移譲式比例代表制:議席数と投票数に応じて当選に必要な票数を計算→その当選基数を上回った候補者を当選とし、そこに余分な票があれば次善とされた候補者に回す方式

もう一つの主張:広い選挙区からよい候補者、「高度の知性と人格をもつ指導者」を選べることを重視⇒選挙区内で誰にも投票したくない状態を防ぐ

 

ミルに対する批判①:C.J.フリードリッヒ「立憲政治と民主制」

ミルは有権者の声が等しく重視されないのは不公正だとして、「公正」の理念から比例を説くが、それだけが公正なのか?という主張

⇒少数に配慮するために決定が下せなければそれは公正と言えるのかという主張

☆「政治における公正の問題は、衝突する諸要求の調整である。…多数派の要求は、どんな少数派の要求よりも重要」

 

・バジョットの多数代表制論(ミルに対する批判②)…議院内閣制を前提に論じる

⇒「イギリス憲政論」

主張①:「首相の選出」という議会のもっとも重要な機能を果たしにくくなるなど、議院内閣制に必要な前提条件と相容れないのが比例代表制

議院内閣制:安定した多数派が形成され、政局の堅実な運営を可能にすることが重要

⇒多数代表制

 

主張②:比例代表制の下では党議拘束が強まり、議員が身動きできなくなる

⇒本来「議員は中庸を得た意見を持って」いなければならないが、比例代表制によって「偏狭な議員で構成」されかねない

今日の議会政治は「国民代表」の観念に立脚しており、議員は選挙民によって選ばれるものの、いったん選ばれた後は自立した存在でなければならない。

⇒比例ではこの理念が弱まる

 

 

☆以上が比例代表制、多数代表制という2つの類型についての代表的議論

 

日本の選挙―何を変えれば政治が変わるのか (中公新書)

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