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戦後から現在までの概観と時期区分―戦後復興期(1945-1955)

1、混乱期

 1945年の終戦以降の日本経済は、戦後復興の時代でした。戦後直後の日本経済はまさに壊滅的と言うべき状況で、戦勝国からの大量の援助物資があったものの、生産財や消費物資は著しく不足していました。また、戦時中の臨時軍事費特別会計の支出が戦後になって大規模に行われたこともあり、急激なインフレに見舞われました。インフレ対策として預金封鎖や政府債務の整理が行われましたが、政策の重点はあくまで生産の復興に置かれていました。生産の復興には拡大再生産のための石炭や鉄鉱等が必要だったため、これらに集中して資金を投入していきました(傾斜生産方式)。そして、これを実施するための財源として設立されたのが復興金融金庫でしたが、終戦処理に伴う財政拡大や復興金融金庫の原資調達のための復金債の日銀引き受けなどによってインフレは続き、インフレ対策は中途半端でした。

 49年に入ると、この事態に対処するためにドッジ・ラインが実施されました。これによって一気にインフレを終息させたものの、その反動でデフレが深刻化し、失業や不景気が国民を苦しめました。このように、戦後直後の45年から49年頃までは、経済が正常に機能していない混乱期と言えます。

 

2、離陸期

 50年代に入ると、朝鮮戦争が勃発し、ドッジ・ラインによって後退していた景気は、朝鮮特需によって回復をみました。しかし、翌51年の朝鮮戦争の休戦以降は、世界経済に景気後退をもたらしました。他方で52年、53年の日本は世界経済の停滞をしり目に、総合収支の均衡という考え方を放棄し、経済自立をスローガンとした積極的な財政政策と朝鮮特需に遅れて増加した消費によって景気が拡大しました。しかし、今度は財政政策による景気拡大に伴って国際収支の赤字を招き、54年、55年には財政・金融引き締めへと転換しました。このように、50年から55年は、景気変動と財政政策の激しい変動の時期であり、経済成長に向けた足固めの時期とも言えます。

 

参考文献

石弘光『現代税制改革史』東洋経済新報社2008

・佐藤進、宮島洋『戦後税制史』税務経理協会、1990

・納富一郎ら『戦後財政史』税務経理協会、1988

 

・山口公生『図説 日本の財政』東洋経済新報社2011